社内SEって、目立たないけど実は会社の“裏の屋台骨”ですよね。
各部署の業務に精通し、AccessやExcelを使って仕組みを整え、RPAやSaaSを導入して業務効率化を進める——。
私もそんな仕事を10年以上続けてきました。
でも、あるときふと気づいたんです。
「この仕事、プロダクトマネージャー(PM)やプロダクトマネジメント(PdM)に限りなく近いのでは?」
この記事では、50代で社内SEからフリーランスを経てPdMに転身した私の視点から、
「社内SEはPM予備軍」というテーマでリアルな経験をお話しします。
社内SEが自然に身につけている「PM的スキル」とは?
社内SEという仕事を振り返ると、実はPMやPdMの仕事と重なる部分がたくさんあります。
- 複数部門の業務を把握し、課題を構造化する力
- ユーザーの“なんとなくの不満”を要件に落とし込む言語化力
- 適切なツール(SaaSや内製アプリ)を選んで現場に導入する判断力
- 部署間・ベンダー間の調整役としてのコミュニケーションスキル
これって、まさに今のプロダクトマネージャーに求められているスキルそのものなんです。
社内SEという仕事のリアルな姿については、こちらの記事でも紹介しています:
👉社内SEって結局どんな仕事?「パソコン修理屋さん」と誤解されがちな本当の業務
私が社内SE時代にやっていたこと
私は長年、AccessやVBAを使った社内ツールの開発を中心に、
- RPAの導入・定着支援
- SaaS導入の比較・選定・実装サポート
- ベンダーとのアプリ開発プロジェクトのディレクション
- 部門横断の業務設計
などを手がけてきました。
当時は「ただの内製SE」と思っていましたが、今振り返ると、
「業務理解×改善設計×実行」というプロダクト思考を自然にやっていたんですよね。
フリーランスでPdM未経験なのに採用された理由
50代になってから私は会社を辞め、レバテック経由でフリーランス案件に応募しました。
応募したのは「SaaS導入支援」の案件で、面談で初めて「kintoneを使います」と聞かされました。
kintoneは未経験。年齢も50代。正直、不安しかありませんでした。
でも、評価されたのは次のような点でした
- 現場ヒアリングから業務フローを整理する力
- システム要件を“言葉で伝える”スキル
- ユーザーとの調整や進捗管理が自然にできる実務経験
結果として、kintone未経験でもプロジェクトマネージャーとして採用されました。
私がどんな経緯でPMに転身したのかは、こちらの記事で詳しくまとめています:
「要件を言語化できる人」の価値が上がっている
今、私はPdMとして仕事をしていますが、最近こんなことを言われたんです。

要件を一番把握してるのは〇〇さんだよね。もうPdMがモック作って、あとはよろしく〜って時代になるよ!
これは冗談ではなく、時代が本当にその方向に向かっていると感じます。
今は生成AIの進化で、ある程度のコードなら誰でも書ける時代です。
でも、AIに指示するには、「何をどうしたいか」がはっきりしていなければなりません。
つまり今後は、
- 要件を整理する力
- 業務に落とし込める言語化スキル
- “何を作るか”を定義できる視点
この3つが、エンジニア以上に評価される時代が来ると感じています。
社内SEのあなたに伝えたいこと
社内SEという職種は、時に「中途半端」「技術も浅い」と言われがちです。
でも私は今、はっきり言えます。
社内SEこそ、プロダクトマネージャーに最も近い存在かもしれません。
ツールの選定も、現場の巻き込みも、要件定義も、全部あなたがやってきたこと。
それを“外の世界”に出してみるだけで、キャリアは大きく変わります。
まとめ|次の一歩は「棚卸し」から
まずは、自分のこれまでの業務を棚卸ししてみてください。
- 関わった業務
- 改善した施策
- 他部門やベンダーとのやりとり
- 社内で当たり前になっていたツールや仕組み
それがすべて、PM・PdMとしての資質そのものです。
年齢や肩書きにとらわれず、一歩踏み出す準備はいつからでもできます。
あなたの“社内SE力”が、次のキャリアをつくるかもしれません。
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