社内にナレッジを蓄積したい。
Wikiのように情報を整理し、チームで共有したい。
そんなとき、かつてはWordPressが定番でした。私自身も「社内情報共有にはWordPressが最適」と思っていた時期があります。
当時書いた実際の導入記事はこちら → 社内ナレッジ共有をWordPressで構築した記録
しかし、時代は変わりました。
今、本当にラクで使えるナレッジツールは、Notionです。
この記事では、WordPressでの社内Wiki運用に疲れてしまった社内SEや業務改善担当者の方向けに、Notionとは何か、なぜ今こそ移行すべきなのかを、実体験ベースで解説します。
まだWordPressで社内ナレッジ管理してるの?
WordPressは自由度が高く、SEOにも強いCMS。
でも、社内Wiki用途で使うには重すぎると感じたことはありませんか?
- プラグインで権限管理をするのが面倒
- 更新のたびに管理画面にログインして、編集・プレビュー・公開
- デザイン変更や表示崩れに時間を取られる
- 投稿の並び替えやカテゴリ整理がしづらい
つまり、情報を素早く共有したいだけなのに、CMSとしての機能が邪魔になる場面が多いのです。
Notionとは?|一言でいえば「クラウド型の社内ノート」
Notionは、ドキュメント、データベース、タスク管理などを統合したオールインワンの情報管理ツールです。
といっても難しく考える必要はありません。
Googleドキュメント+Excel+Slackスレッドを、全部1つのツールにまとめたものと考えるとイメージしやすいでしょう。
- ページを自由に作って階層構造にできる
- 書いたそばから全員に共有される
- 編集履歴も残る
- スマホ・PC・タブレットどれでも使える
「とにかくすぐ書けて、すぐ見せられる」
そんなスピード感こそが、Notionが社内ナレッジ管理に向いている最大の理由です。
WordPressとNotionの違いを比較してみる
WordPressもNotionも、情報を蓄積・共有するという点では同じ目的を持つツールです。
しかし、実際に使ってみると「考え方がまったく違う」ことがわかります。
WordPressとNotionの比較表
項目 | WordPress | Notion |
---|---|---|
導入難易度 | サーバー構築・初期設定が必要 | アカウント登録だけで即開始 |
編集のしやすさ | 管理画面で都度保存が必要 | ブラウザ上でリアルタイム編集 |
権限管理 | プラグインが必要 | ページごとに共有設定が可能 |
検索性 | タグやカテゴリで対応 | 全文検索が可能 |
コスト | サーバー・ドメイン維持費用あり | 個人利用なら無料、チームで月額課金 |
社内展開しやすさ | ITリテラシーが求められる | 非エンジニアでも直感的に使える |
💰 Notionの料金は高い?無料でどこまで使えるか検証
Notionは「オールインワンで便利」と言われる一方で、気になるのが費用面。
実際の料金体系は以下のようになっています(2025年5月時点)
プラン | 月額(1ユーザー) | 主な特徴 |
---|---|---|
Free(無料) | ¥0 | 個人利用向け。1人まで、ページ数制限なし。 |
Plus | 約¥600〜¥800 | 小規模チーム向け。5人以下ならこれでOK。 |
Business | 約¥1,200〜¥1,500 | チーム利用に最適。SSO・権限強化・外部連携など。 |
Enterprise | 要問い合わせ | 大規模・セキュリティ要件がある企業向け。 |

ちなみに私は副業のTODO管理などプライベートでも使っています。
価格は為替により変動する場合があります。年払いだとさらに割引あり。
👀 実際どう使い分ければいいの?
- まずは無料プランで試してOK
社内Wikiやマニュアルの初期整備は十分対応可能です。 - 本格運用は「Plusプラン」から
複数人編集やアクセス制御を行いたい場合は、Plusがバランス◎。 - 全社導入前に、1部署でテスト運用するのがオススメ
導入後すぐに全社展開せず、小規模で成果を見てから拡大すると失敗しません。
💡 Notion AIの料金について
Notionでは、文章の要約・翻訳・マインドマップの生成・Mermaid記法による図の作成などを支援する「Notion AI」が利用できます。
この機能は オプション(アドオン)として個人単位で追加可能 で、以下の料金がかかります(2025年5月時点):
- 月額払い:¥1,650/ユーザー
- 年額払い:¥16,200(1ヶ月あたり ¥1,350)
チーム全員ではなく、「AIを使いたい人だけ」に追加課金できるのがポイントです。
※通常のPlus/Businessプラン料金とは別に発生します。
🚀 スタートアップ企業向けプログラムも
Notionでは、従業員数50名以下のスタートアップを対象に、「Notion for Startups」という特別プログラムを提供しています。
このプログラムに申請すると、最大6ヶ月間、有料プラン(Businessプラン相当)を無料で使える特典が用意されています。
主な条件:
- 法人化されたスタートアップであること
- 資金調達済み、またはアクセラレータープログラム参加企業であること(条件緩和あり)
👉 詳細と申請はこちら:
https://www.notion.so/startups
Notionの基本プランに加えて、AI機能やスタートアップ向け支援があることで、用途に応じてより柔軟な導入が可能です。
Notionで社内ナレッジを始める手順(無料OK)


- Notionのアカウントを作成(Google連携OK)
- ワークスペースを作成し、カテゴリ別にページを用意
- 「マニュアル」「FAQ」「議事録」など分類して格納
- チームメンバーを招待し、アクセス権限を設定
- 情報更新のルール(ページ命名・更新日記載など)を簡単に決める
最初から完璧を目指さず、「書ける人が書ける範囲で始める」のがコツです。
実際に使って感じた「Notionのここがラク」
私はかつて、WordPressを使って社内向けの情報をまとめていました。
でも、あるときからNotionに切り替えたことで、こんなメリットを感じました。
- 共有が一瞬:URLだけで済む
- 情報の追記が簡単:メールやチャットの文面をそのまま貼るだけでもOK
- 誰が更新したか一目瞭然:履歴が残るので管理も安心
- 一覧表示が見やすい:ページをデータベース形式で管理できる
- フローチャートやシーケンス図が楽に書ける
つまり、運用する人がラクになる=使われ続けるというサイクルが回るようになったのです。



私はフローチャートが書ける点が大いに気に入っています。




Notion AIは別途月額料金が必要ですが、議事録の要約や表作成、Mermaidによる図の作成支援などが可能です。必要に応じて追加検討してみましょう。
まとめ|“今”Notionを導入すべき理由
WordPressは今でも優れたCMSです。でも、社内ナレッジ共有という目的に対しては、もっと軽くて速くて直感的なツールの方が向いています。
Notionはその代表格。
無料でも十分使えるし、非エンジニアでも始めやすい。
「社内の情報共有を整えたい」
「誰でも書けて、誰でも読める状態にしたい」
そう思ったときが、Notion導入のベストタイミングです。
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