この度、OCRとRPAを導入し入力業務を効率化することになりました。
具体的はFormOCRとRPAの組み合わせで以下のように実装します。
- 手書きの文書をFormOCRでCSVファイルに変換する
- CSVファイルからRPAを使って業務システムにデータを入力する
CSVから業務システムにデータを取り込むインターフェイスがあればOCRだけでもかなり効率化は図れると思いますが、今回そういったインターフェイスがないためRPAも使います。
OCRとは、手書きの文字や印刷された文字を読み取り、データと照らし合わせ文字を判断し、電子テキスト化する装置のこと。画像をスキャナで読み取り、文字を識別して文書にするソフトもある。
引用:ITトレンド
ロボティック・プロセス・オートメーションの略称で人間が行う作業を自動化する技術です。
予め定義したフローに従って入力、更新、出力などの定型業務を自動化することが可能となり単純な定型業務の効率化を実現します。
OCRとRPAの親和性
RPAとOCRは連携して使用することで業務効率化の範囲を拡大することが可能です。
紙ベースの書類をOCRでスキャンしデータ化し、出力した結果を入力用のインターフェイスに引き渡すことで残る人的作業はスキャンしたデータの確認と修正ということになります。
RPAを使えばシステムに入力するだけでなく、メールを送る、FAXを送るなどの工程にもデータを連携することが可能です。
OCRとRPAの選定
OCRやRPAの導入にあたっては各種商品を検討したのですが、費用対効果を算出し検討した結果以下のような構成となりました。
OCR
- ソフトウェア:FormOCR
- スキャナー:EPSON製A3対応スキャナー
OCRには様々なソフトウェアがあり、1万円を切る商品から手書き文字の認識にAIを搭載したものまで幅広い選択肢があります。
[itemlink post_id=”748″]
今回選定したFormOCRは手書き文字も認識するソフトウェアではありますがやはり、文字(英字や日本語)については認識率はあまりよくはありません。
ですが、他のソフトと比べると安価ですし、読み取る書類にチェックボックスや数字が多ければある程度認識してくれます。
OCRの選定については読み取る文字の内容や読み取る作業量に応じて費用対効果が高ければいいものを選べると思います。
前職ではpanasonicの帳票OCRを導入しました。
RPA
- RPA:WinActor
RPAについても各社提供していますので十分に検討を行い、今回はWinActorを導入することになりました。
プログラミングの知識はなくてもフロー図が書ければ使いこなすことはできそうです。
ただ、シナリオ作成方法に慣れ自由自在に使いこなすためにはある程度の作業量をこなす必要はあると思います。
費用(ランニング含む)
詳しい金額は掲載しませんが、それぞれ以下の購入が必要です。
初期費用 | ランニング費用 | |
FormOCR | ★ | |
FormOCR保守サービス | ★ | |
スキャナー | ★ | |
スキャナー保守パック | ★ | ★ |
WinActorフル機能ライセンス | ★ | ★ |
WinActor実行ライセンス | ★ | ★ |
その他、技術支援サポートなどが必要であれば別途発注します。
使用するパソコンについて
FormOCRのライセンスは1つのみ購入しました。
このライセンスは1台のPCにインストール可能なライセンスとなっていますのでOCR用のPCを1台用意する必要があります。
またRPAの方はフルライセンスと実行版ライセンスを購入しています。
それぞれ1台のPCにインストールしますのでこちらも専用のPCが必要となります。
FormOCRの方は別のPCに再インストールした場合のライセンスの移行は可能ですが、WinActorの方はライセンス移行が少し面倒です。
何回かライセンス移行すると設定費用がかかるとか・・・。
OCRとRPAを使った処理の概要
作業者 | 処理概要 | |
スキャン | 人間 | 書類をスキャナーで読み取る |
OCR処理 | ソフトウェア | 読み取った書類を文字データに変換 |
確認・修正 | 人間 | 変換された文字のチェックと修正 |
RPA処理 | ソフトウェア | システムなどへの入力 |
OCRとRPAを使って自動化される部分もありますが、スキャナーに用紙をセットし実行する作業と文字のチェック作業は人間が行う必要があります。
スキャン自体は100枚でも数分ですし、RPA処理はPCに任せておけばよいので、実際は手作業で紙の書類を見ながら入力する時間と、OCR処理の確認・修正する作業の時間の差が効率化できる時間ということになります。
よって、以下の計算式で削減費用を計算できますね。
(1枚の入力時間 - 確認・修正時間)*枚数
もし導入費用の方が安くすむようであれば検討の価値ありですので是非検討してみてください。
OCR、RPAともに導入するにあたってはシナリオの作成が必要です。
よって、シナリオの作成工数も加味する必要があります。