「社内の業務を効率化するために新たにシステムを導入する。」そう決まった時、どういう選択肢があるのでしょう?
システム化の実現方法
システム化の実現方法は数パターンあります。
- ソフトウェア会社に自社向けのシステムを一から開発してもらう(フルスクラッチと呼びます)
- ある程度定型の型が用意されたクラウドサービスを利用する(自社用に多少のカスタマイズができるサービスもあります)
- 比較的小規模な開発で対応する(AccessやExcelマクロなど)
- パッケージを購入する
- その他
それぞれに長所と短所があり、一概にどの方法がいいとは言えません。
費用の比較
フルスクラッチ | 初期費用は高額。ランニングコストはかからない。 使用する過程で仕様変更が発生し別途発注することが多い。 |
クラウドサービス | 初期費用が抑えられる。ランニングコストがかかる。 |
小規模開発 | 比較的開発費用が安い。 |
パッケージ購入 | 購入費用のみ。一番割安。 |
小規模開発とパッケージ購入はそもそも金額自体が大きくありませんし、それで充分と判断されれば悩むことはありません。問題はフルスクラッチにするか、クラウドサービスにするか。ということにになります。
1つの例ですが、かかる費用をグラフにしてみました。
●フルスクラッチの場合、初期開発費用が200万円。3年目に50万円の追加機能を発注したと仮定。
●クラウドサービスの場合、初期設定費用は120万円。毎年40万円のランニング費用が発生したと仮定。
この場合、5年目でフルスクラッチの累積費用をクラウドサービスの費用が追い越す形になります。
実際はこんなに簡単な比較にはなりませんが、おおよそ5年間位を想定してかかる費用を計算してみることが重要です。
使いやすさ
フルスクラッチ | 自社に合わせて作るため使い勝手は良い(※) |
クラウドサービス利用 | 多少のカスタマイズはできるがほとんどは定型で利用することになる。 このため仕様に運用を合わせていくことになる。 |
小規模開発 | 自社に合わせて作るため使い勝手は良い(※) |
パッケージ購入 | 完全に自社の運用をパッケージに合わせることになる。 |
※設計の段階で要件をしっかり確定できれば・・・という条件付きです。
メンテナンス性
フルスクラッチ | 機能追加や変更など都度開発費用が発生する。 運用当初は不具合が発生する場合もある。 Webシステムの場合、別途脆弱性検査など保守費用がかかる。 |
クラウドサービス利用 | 保守はサービス提供会社に任せる形。 他社でも利用されているためある程度安定している。 |
小規模開発 | 機能追加や変更には比較的柔軟に対応可能。開発費用も安いため追加発注しやすい。 自社内の開発者が開発した場合、属人化し「開発した当人でなければ分からない」 という事態になることもある。 |
パッケージ購入 | 不要 |
まとめ
システム化の手段を比較しようと考えた場合、まずは費用面を検討することになるかと思いますが、上記のように使いやすさやメンテナンス性を比較検討することも重要です。
また、場合によっては、まずはクラウドサービスで1年ほどテスト運用し、軌道に乗りそうならフルスクラッチを検討する、といった複合型の手法もあります。
「完璧を目指すよりまず終わらせろ」業務効率化(業務改善)のための大事な考え方思い切って完璧主義を捨て、「完璧を目指すよりまず終わらせろ」を胸に仕事に取り組んでみてはいかがでしょうか?
仕事の効率もあがり、柔軟な発想が浮かぶ余裕ができます。...
ABOUT ME